2023年の数学のふりかえり

こんにちは、ぱるまです。この記事では2023年にツイートした数学の話を振り返ってみます

ルベーグ積分の普遍性 (2月)

ツイートが消えたとき用の画像

ルベーグ積分が普遍性で書けるのおもしろいなぁってなりました。

距離空間の三角不等式も順序集合の推移律も(豊穣圏の)射の合成 (2月)

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これも alg-d さんの動画を見て知ったことです。おもしろいなぁと思いました。

以下の2つは $\hom(x, y) \times \hom(y,z) \to \hom(x,z)$ (射の合成) の特殊ケースとみなせるようです。(三角不等式の方は $\mathbb{R}_{\geq 0}$ -豊穣圏を考える)

  • $d(x,y) +d(y,z) \leq d(x, z)$ (三角不等式)
  • $x\leq y$ かつ $y \leq z$ ならば $x \leq z$ (推移律)

関数の連続性について動画を出しました (2月)

youtu.be

2021年ごろにツイートした以下の内容を動画化しました。

これ以降、数学ネタは動画化できてないので、よさそうなネタがあれば動画化したいです。

素数が無限個あること」の証明と「集合全体の集まりが集合でないこと」の証明 (2月)

いろいろな人に指摘されましたが、「素数が無限個あること」の証明が微妙すぎます......。結構伸びてしまいましたが、微妙なツイートをしてしまったなぁという気持ちです。

($P_1, \ldots, P_n$ が素数の全体のとき、$P_1 \cdots P_n + 1$ が素数だというのに飛躍があるのと、$P_1,\ldots, P_n$ が素数のときに、$P_1, \ldots P_n + 1$ が素数であると誤解を生む表現をしてしまっている。)

Stateモナドのお絵描き (2月)

随伴(curry, uncurry)考えると State モナドの見通しが良くなるなぁってことに気づいたのですが、今となってはほとんど忘れてしまっています。(必要になったら思い出します)

ツイートはしてないですが、継続モナドは $\mathrm{ev}\colon A\times X^{A} \to X$ のカリー化を考えると見通しが良かったです。

↓当時書いた雑な絵

dim(V + W) + dim(V ∩ W) = dim(V) + dim(W) は基底で包除原理したもの (3月)

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これ気づいたときはちょっと感動しました。 dim(V + W) + dim(V ∩ W) = dim(V) + dim(W) に対する直感的な解釈ができて嬉しかったです

代数系の細かいツイートたち (3月)

特にコメントはないので貼るだけ(後で見返す用)

包除原理を指示関数で解釈する (7月)

ツイートが消えたとき用

包除原理の式は指示関数で書いて展開した式だと思うと見通しがよかったです。 これ気づくまでは包除原理の式はぐちゃぐちゃしててややこしいなと思っていたのですが、これ気づいてだいぶ包除原理の式の見通しがよくなって嬉しかったです。

この件については、ブログの記事にしました。

paruma184.hatenablog.com

米田埋込による min, max の分配法則 (9月)

論理の分配法則に帰着できるのがおもしろいです。

この証明の背景には米田埋め込みがあります(明示的に使ってはないですが)

なお、半順序(inf, sup)だと分配法則は成り立つとは限らないです。

ただ、集合の∩, ∪ や gcd, lcm は分配法則が成り立ちます。 (集合の場合は指示関数使うと {0,1} の min, maxの話になって、gcd, lcm は素因数分解したときの指数でmin, max の話になります。)

まとめ

振り返ると代数ぽいツイートが多めの1年でした。

2023年は代数をちょっとだけ勉強しました(土岡先生の講義資料を読むなどしました)。 まだあまり進んでないので引き続き勉強していきたいです。