こんにちは。ぱるまです。2021年にした数学のツイートをまとめたいなぁとふと思ったのでまとめてみました。
- 数学の証明の話(1月)
- Mathlog投稿(well-definedの話)(3月)
- 線形代数の基底の話(4月)
- 極限と不等号の話(5月)
- 距離空間の閉包の特徴づけ(6月)
- 「ε-δ論法の連続性」と「開集合の逆像で定義する連続性」の同値性(6月)
- 米田の補題とリースの表現定理(6月)
- モナド(10月)
- ガウシアンカーネル(12月)
- 線形代数の三角化・対角化(12月)
- 固有値が実数の直交行列(12月)
数学の証明の話(1月)
数学の証明って木構造になってる(自然演繹のイメージ)って思ってるけど、実際には文字列として一列に書かれがちだから証明の構造わかりにくくなってるって感じがする。
— ぱるま (@paruma184) 2021年1月22日
なんか書いたけどよくわからない...になった
— ぱるま (@paruma184) 2021年1月23日
(自然演繹と日本語での証明どう対応してるのかなぁってなって書いてみた。日本語での証明で出てくる「xを任意に取る」っていうあれは自然演繹だと明示的には出てこなくてxを自由変数として扱うって感じなのかな?) pic.twitter.com/XY1X3pE79V
証明を木構造として書く自然演繹と日本語での証明を比較してみたというツイートです。 数理論理学をちゃんと勉強して証明とは何なのかというのを考えてみたいです。。。
余談ですが、日本語の方の証明は、以下のツイートのように段落や箱をつけると読みやすいと感じるので、ぼくはこのように証明を書くことが多いです。
これ見やすくない???
— ぱるま (@paruma184) 2021年1月23日
意識することとしては
* 示したいことを先に書いて、その証明を箱で囲う
* 証明の中に証明を書く入れ子構造にする
って感じ
数学の証明をノートに書くときはわりとこう書いてる(おすすめです!) https://t.co/HhAXGjVHsX
Mathlog投稿(well-definedの話)(3月)
「写像は二項関係の特殊なもの」という考え方によるwell-definedの解釈 https://t.co/W5LguIunLh #Mathlog
— ぱるま (@paruma184) 2021年3月28日
書きました!
1月頃から書いてたのがようやくできた😊
写像を二項関係の特殊ケースとして定義する話とwell-definedの話をつなげてみました!
要約するとこんな感じの話を書きました!
— ぱるま (@paruma184) 2021年4月2日
よかったら読んでね😊 https://t.co/Kjy6r0v7l6 pic.twitter.com/t0sfzwC7dz
2021年の1月から3月頃にちまちまと書いていた記事を投稿しました。
well-definedってなんなんだろうというのを、写像の定義から掘り下げて解説した記事です。
線形代数の基底の話(4月)
有限次元線形空間の基底、こう解釈できることに気づいた pic.twitter.com/V0ccuLJ8M5
— ぱるま (@paruma184) 2021年4月20日
↑の話、無限次元の場合はどうなるんだろうなぁって思って考えてみた!
— ぱるま (@paruma184) 2021年4月28日
自由線形空間使ったら、有限次元の場合と同じように基底の特徴づけができた!
楽しい😊 pic.twitter.com/4tqC5ormBu
基底(1次独立、生成系)を写像の単射や全射で特徴づけしたという話です。1次独立や生成系が単射や全射で記述できるのがおもしろかったです。
極限と不等号の話(5月)
極限飛ばすと<が<=になるの、閉包をイメージしてる
— ぱるま (@paruma184) 2021年5月22日
(閉包持ち出すの少しオーバーキルだけど)(素直に=になる例を思い浮かべる方がいいのかもしれない)
— ぱるま (@paruma184) 2021年5月22日
ツイートの画像にあるように、なにか数学の記述を集合の言葉で記述するのが好きです。(今回の場合だと $ a_n\lt M $ を $ a_n\in(-\infty, M) $ と集合の言葉で記述してます。)
距離空間の閉包の特徴づけ(6月)
届いた!!😊
— ぱるま (@paruma184) 2021年6月7日
(届くの明日だと思ってたらなんか今日だったみたいでびっくりした) pic.twitter.com/HREsQJ63N7
おえかきした!たのしい😊 pic.twitter.com/FFJFZvxW2Q
— ぱるま (@paruma184) 2021年6月10日
6月にiPadを購入しました(今まではMac+板タブで書いてました)。 そこで、iPadでなにかお絵描きしたいなぁって思ったのでお絵描きしてみました。Mac+板タブと違って快適で書いてて楽しかったです。
「ε-δ論法の連続性」と「開集合の逆像で定義する連続性」の同値性(6月)
今日のお絵描き
— ぱるま (@paruma184) 2021年6月14日
ε-δ論法を集合の言葉で書き直すと、ε-δ論法の連続性と「開集合の逆像が開集合」が近く見えるなぁって思った。 pic.twitter.com/mKyW9fLB0Z
結構伸びてびっくりしました(2021年で一番伸びた)。 みんなε-δ論法が好きですね。
これも、数学の記述(ε-δ論法)を集合の言葉で記述した例ですね。
米田の補題とリースの表現定理(6月)
米田の補題とリースの表現定理って似てるなぁって思った pic.twitter.com/1XapjaS9tR
— ぱるま (@paruma184) 2021年6月29日
<<-, x>, f> = f(x)はHが(完備とは限らない)内積空間でもおそらく成り立つから、リースの表現定理は米田の補題とあんまり関係ないかなってなった。
— ぱるま (@paruma184) 2021年6月29日
まぁどっちにしろ、圏論の話と内積空間の話でこういう類似性が現れるのは面白いなと思いました。 https://t.co/3rwP71FOXy
圏論の「米田の補題」と関数解析学の「リースの表現定理」が似てるなぁと思ったツイートです。 実は、$ \langle\langle -, x\rangle, f\rangle = f(x) $ は完備でない内積空間でも成り立つ(リースの表現定理を使わなくても言える)ので、リースの表現定理はあんまり関係ないことに後で気づきました(2つ目のツイート)。
圏論と関数解析学のように異なる分野に対してこのような類似の対応が見えるのはおもしろいなぁと思います。(余談ですが、圏論と関数解析学の間の有名な類似対応として、圏論の随伴関手と関数解析学の随伴作用素があります。)
モナド(10月)
モナドと随伴がつながって感動してる。
— ぱるま (@paruma184) 2021年10月11日
(左随伴と右随伴の合成を考えるとモナドができる。随伴の単位がそのままモナドの単位になったり、わりとモナドと随伴の対応があって感動した。) pic.twitter.com/MD0pI2rgB8
モナドの公理をリストで確認してみた!
— ぱるま (@paruma184) 2021年10月12日
具体例をあてはめるとなるほどなぁってなるなぁ
(公理の1つめで、Tμが内側でのjoin、μTが外側でのjoinになってて、あーそういうことか〜ってなった。) pic.twitter.com/YQ5s9HHTeq
モナドで遊んでたときのツイート。随伴とモナドが繋がったり、圏論のモナドとプログラミングのモナドが繋がったりでおもしろかったです。
(1つめのツイートで、モノイドの自由忘却の随伴からモナドを作るとリストモナドが出てくる旨が書いてありますが、これは嘘です。モノイドの自由忘却の随伴から作ったモナドの元は有限の列(無限の列は許されない)ですが、Haskellのようなリストは無限の列も許されます。)
ガウシアンカーネル(12月)
カーネルのことについてちょっと考えた pic.twitter.com/awvwUQIos0
— ぱるま (@paruma184) 2021年12月9日
φ(特徴写像って呼ぶらしい)の連続性を調べてみた。普通に連続だった。
— ぱるま (@paruma184) 2021年12月13日
(トリッキーな議論なしで証明できた。kの連続性を使うともっと楽そう。)
こういう、本に書いてないような基本的な事実を一つずつ確かめていくのしていきたい。 pic.twitter.com/rUl15bJdpH
ガウシアンカーネルの特徴写像の性質調べて、今までの含めてまとめてみた
— ぱるま (@paruma184) 2021年12月14日
この特徴写像、(無限次元空間の)単位球面の一部の方向にしか送ってないことに気づいてびっくりしました。
(計算自体はシンプルだったけど、今まで考えたことなかったなぁ) pic.twitter.com/c07atDZGeC
ガウシアンカーネルの値、コサイン類似度そのものなことに気づいてびっくり。
— ぱるま (@paruma184) 2021年12月18日
(ふとコサイン類似度が気になって計算してみたらカーネルの値になった。計算っていうほどの計算はしてないけど、びっくりした。) pic.twitter.com/xxbvGDhIaD
ガウシアンカーネルを使ったSVMって、データ点をこの単位球面の一部に送って線形分離してたんだなぁ
— ぱるま (@paruma184) 2021年12月14日
(そういえば書き忘れてたけど、φ(x)とφ(y)の間の距離は高々√2。めっちゃ狭い領域に閉じ込められてるような感じするけど、無限次元だからそうでもないんだろうなぁ) https://t.co/A4rR2WPEGk
TwitterのTLにカーネル法の話が流れて、気になったのでカーネル法(とくにガウシアンカーネル)について調べてみました。
ガウシアンカーネルの特徴写像が単位球面に送ってるって気づいたときにはびっくりしました。簡単な計算で分かっただけにそうだったのかとびっくりしました。
この件で、こういう簡単な計算でわかる基本的なことを(教科書に書いてなくても)一つずつ確認していきたいなぁと思いました。
線形代数の三角化・対角化(12月)
線形代数の三角化・対角化の話を整理してみた
— ぱるま (@paruma184) 2021年12月20日
(証明してないからあんまり自信がない😔) pic.twitter.com/Qrqm3BJ84g
対称行列の対角化について
— ぱるま (@paruma184) 2021年12月20日
* 対称行列だと三角化が対角化になる(対称な上三角行列が対角行列だから)
* 対称行列は成分も固有値も実数だから、対称行列の対角化は実数の世界で話が済む(ユニタリ行列は直交行列で済む)
って認識。
上三角行列が対称行列だったらそれって対角行列だよねって話の流れ好き。
— ぱるま (@paruma184) 2021年12月20日
カーネル法の勉強をしてるときに、線形代数の対角化あたりの話がわからなくて困ったので、対角化の復習をしてました。特に「対称行列は直交行列で対角化可能」という定理で、なぜ対称行列でないといけないのか、なぜ直交行列で対角化ができるのかが気になったので(1つ目のツイートのように)整理してみました。
以下の流れを理解してなるほどってなりました。
- もともと「任意の正方行列がユニタリ行列で三角化可能」というところから始まっている
- 成分も固有値も実数だと三角化に使うユニタリ行列が実数の世界(直交行列)に収まる
- 対称行列は成分も固有値も実数だからこの話に当てはめられる
- 対称行列を三角化すると得られた上三角行列も対称行列。上三角な対称行列は対角行列なので、対称行列の三角化が対角化になる。
定理の内容だけじゃなくてこういうストーリーがわかると定理への納得感が増す*1ので、こういうストーリーを理解したいなって思ってます。 似た話ですが、「定理の前提が証明のどこで使われているか」についてもわかると納得感が増すので、ちゃんと確認したいなと思ってます。
固有値が実数の直交行列(12月)
直交行列で固有値が実数(つまり1か-1)のものって直交行列で対角化できるはずだけど、直交行列で対角化できるものって対称行列だけだから、固有値が実数の直交行列って対称行列なの?ってなってる。
— ぱるま (@paruma184) 2021年12月23日
正規行列(A^*A=AA^*を満たすもの。エルミート行列とかユニタリ行列とか対称行列とか直交行列とか)はユニタリ行列で対角化できる
— ぱるま (@paruma184) 2021年12月23日
→それなら固有値実数の直交行列は直交行列で対角化できるのでは?
→でも直交行列で対角化できるの対称行列だけだよなぁ
→もしかして固有値実数の直交行列って対称行列?
固有値が実数の直交行列は対称行列みたいです。びっくりしました。
もっと一般に、固有値が実数の正規行列はエルミート行列です。(固有値が実数の正規行列$ A $を対角化して得られた対角行列 $ \Lambda = U^* A U $ ($ U $はユニタリ行列) は対角成分が実数なのでエルミート行列です。このことから対角化前の正規行列 $ A=U \Lambda U^* $ もエルミート行列であることが簡単に示せます。)
(正規行列の世界では)「固有値が実数」ということはエルミート行列(実行列の場合は対称行列)であることを表現しているんですね。
*1:数学の勉強に納得感が必要なのかはわかりませんが、納得できたほうが気持ちがいいので、趣味で数学をする分にはできたらこういう納得感を得たいなぁという気持ちがあります。